2007年06月22日

花さき山

「花さき山」

をご存知だろうか。

有名な絵本のひとつである。

絵本の読み聞かせのベテランだと、
文章を丸ごと暗記している人が少なくない。

とてもいい絵本である。

切り絵風の鮮やかな挿絵も強烈。
昔話風で山姥の語りから入り、ひきこまれる。
何と言ってもコレは兄弟が居る人ほど、
泣ける。

家が貧しくて、姉と妹の両方には晴れ着が新調出来ないとき、
姉は、自分はいいから妹に買ってやって欲しい、と母親に言う。
双子の兄は、母親のおっぱいが弟に飲みつくされるのを
涙ながらに我慢する。
家が貧しくて、ということはなくても、
我慢しなくちゃならないことって、いろいろある。

他人から見ると、ほんのちょっとの我慢だとしても、
子供にとっては切なくて悲しい我慢だ。
でも、ぐっと我慢する。
やさしいことをすれば花が咲く。
子供の頃にこの言葉を聞くか聞かないかで、
けっこう気持ちのあり方が変わるような気がする。

そんなふうに思って辛抱することを、自己満足と切り捨てたくない。

なんだけど・・・・・・。


私の幼馴染でこの絵本が大好きだった子がいる。
5歳くらいから8歳くらいまで、かなり長い間、
私は彼に何度もこの絵本を読んであげるはめになった。
同い年なのだが、私は読んであげるのが好きで、
彼は読んでもらうのが好きだった。

彼はものすごく「いい子」だった。

口数は少なくて、おとなしい子だったが、
人の手伝いを進んでやるような子だった。
一人っ子でほんわかしてる感じなんだけど、
挨拶もきちんとできるし、掃除なんかもさぼらない。
私は母からいつも彼を見習うように言われた。

彼がなぜあんなに
「花さき山」が好きだったのか、よくわからない。
兄弟も居ないのに、と思ったこともある。

そして彼は高校生くらいまで、
実にほんわかしたタイプのままだった。
「やさしいから好き」という女の子も居ないではないものの
特に誰かと付き合っている感じもなく
吹奏楽部に皆勤する彼に、
幼馴染として
あれってどうなんだろう?と首を傾げる感じだった。
特にいじめられていたということはないだろうけど。

それが。

大学に進学してしばらくして、
彼は放浪の旅に出た。
私が最後に聞いた話(もう10年前)だと、
モンゴルに居る、ということだった。
彼に何があったのかわからない、

「花さき山」が大好きだったイメージが強いので、
イラクでNGOのメンバーが人質になったニュースに、
思わず彼のことを思い出したりした。
「花さき山」はある意味で、自己犠牲のメッセージが強いからだ。

さて、ほんとに私の幼馴染はどこで何をしているんだろうか?


posted by ルクレツィアの娘 at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 子育て | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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